カーシェアリング付きマンションを考える

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都市部を中心に普及が進むカーシェアリング。公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団による調査(2014年1月)によると、カーシェアリングの車両台数は前年比40%増の12,373台、会員数は同61%増の465,280人で、2002年の調査開始時(車両台数21台、会員数50人)から急激な普及を見せました。
このような中、分譲マンションにもカーシェアリングを導入する動きがあります。その背景とは一体何でしょうか?
カーシェアリングとは?
カーシェアリングとは、1台の自動車を複数の会員で共同利用するシステムです。メリットは、(1)短時間(15分単位)でも借りられる?、(2)最初に会員登録をすれば、借りるたびに契約書類を記入する必要がない、(3)ガソリン代など全ての費用も料金に含まれるので清算が明朗、(4)パソコンや携帯電話から手軽に利用予約ができる、などが挙げられます。
「持ち家=クルマ所有」は過去のもの!?
自家用車の魅力は、所有する喜びや、思い立った時にすぐに外出できる手軽さです。一方、移動手段として割り切って考えると、カーシェアリングの方にコストメリットがあります。自動車の維持費や駐車場代などの固定費を浮かせることができ、利用した時間分の料金だけを支払えば良いからです。平日は通勤で電車などの公共交通機関を利用し、自動車は土日などの休日しか乗らない方にとっては、かなり出費が減ることでしょう。実際、導入しているマンションは、交通の便が発達した三大都市圏に多いのです。「持ち家=クルマ持ち」という考えは、今後必ずしも当てはまらなくなるでしょう。
マンション維持の観点からも、カーシェアリングの良いところがあります。メンテナンス費用の負担が大きい機械式駐車場の規模を抑えることができ、共用部分の修繕工事費用などに充てられる修繕積立金の金額が少なくなります。各戸数分の駐車スペースを必要としないカーシェアリングなら、マンションの敷地を駐車場からさらに有効活用することもできるでしょう。
エコへの浸透にもつながる
カーシェアリングは時間貸しの従量課金が基本のため、ユーザーは無駄な長距離運転をしないなど、意識的に利用を減らそうとします。結果として、ガソリンを使わなくなり、CO2排出の削減へとエコロジーへ繋がるといったことも期待できますね。最近はCO2を排出しないEV自動車を配置しているカーシェアリング付きマンションも出てきました。
気兼ねなく乗りたいマイカー派 コスパを意識したカーシェアリング派
カーシェアリングは、使った分だけ支払うなどコストパフォーマンスではとてもメリットがあります。ただし複数で利用するため、車内清掃は利用者のモラルによる点や、状況によっては予約が取れない、利用延長ができない、荷物を積みっぱなしにはできない点などのマイカーにはない不便さもあります。利用時間や目的があまり限定されず、頻度が少ない場合は、必要以上にコストをかけないカーシェアリングの選択がいいでしょう。毎日利用する場合、予約の有無や利用時間を気にすることなく、気兼ねなく乗りたい場合はマイカーの方がいいでしょう。
カーシェアリングは新しいライフスタイルとして広まっています。マンション購入の検討材料において、カーシェアリング付きも選択肢として考えてはいかがでしょうか?