中古マンション、古さへの不安はどう解決する?〜【第1回】設備保証ができた背景

目次
新築より手の届きやすい価格といっても、中古マンションの購入はとても大きな買い物です。もし、住み始めてから"かし"(欠陥)が分かったら? 中古マンションの購入を検討される人の多くが、不安に思うことでしょう。しかし、そんな不安を解消する仕組みがあります。この仕組みができた背景から具体的な内容までを全3回に分けて紹介します。
買ったあとに欠陥を発見!!さあどうなる?
あなたは購入する際には内覧をして、住戸の傷み具合などをしっかり把握するはずです。しかし、雨漏りや、壁のひび割れなど、住み始めてから分かることもあります。この場合は、誰が責任を負うべきでしょうか?また、保証はあるのでしょうか?
新築物件は法律でかし担保を保証
新築の住宅購入においては、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」と「住宅かし担保履行法」という法律で、売主(建設会社など)に引き渡しから10年間のかし担保責任(欠陥があった場合に直す責任)を求めています。対象は構造耐力上主要な部分(基礎、柱、外壁、屋根など)と雨水の浸入を防止する部分で、住宅の根幹に関わる部分は保証されています。
しかし、中古住宅においては、宅地建物取引業者(宅建業者)が売主の場合で、宅建業法に定められた2年間とされることが多いものの、売主が個人となると引き渡し後3カ月程度で、保証が十分というものではありませんでした。
中古のための"既存住宅売買かし保険"
これを解消するために「既存住宅売買かし保険」ができました。中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度で、国土交通大臣が指定した住宅専門の保険会社(住宅かし担保責任保険法人)が保険を引き受けます。保証の対象となるのは、構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分などで、補修費用のほか、調査費用、補修工事中の転居・仮住まい費用なども支払われます。
この保険制度は特に、鉄筋コンクリート造のマンションよりは、木造一戸建てを中心に利用されていました。木造が多い中古一戸建ての売買では、雨漏りや主要構造部の問題が良く取り上げられているのに対し、鉄筋コンクリート造のマンションでの雨水の浸水等は少ないためです。その結果、マンションでは既存住宅売買かし保険ではなく、設備の修理が注目されていきます。
そこで、中古住宅への不安感を解消する取り組みとして、国の制度の不足分を不動産会社がサービスとして提供を始めました。このような取り組みのおかげで、安心して買う、安心して売るために、設備保証サービスへの注目度も上がっています。次回から具体的に設備保証サービスの特徴を紹介します。