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進化するマンションの耐震技術。耐震・制震・免震構造それぞれの違いとは?

公開日:2018-05-24 00:00:00.0
日本は地震の多い国として知られています。マンションを購入する際に、建物の耐震性や周辺地域の地盤強度などをチェックする方も多いのではないでしょうか。
マンションなどの建物の耐震性を左右する耐震構造には、3つの種類があります。今回は、耐震・制震・免震という3つの工法について、特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
 
 
耐震構造とは
 
耐震構造は、建物の持つ剛性と強度を高めることによって、地震の揺れに耐えることを目的とした構造です。1981年の新耐震基準施行以降に建設された建物は、基本的にはこの耐震構造で造られています。
 
《耐震構造の特徴》
耐震構造の強度を担っているのは主に柱、梁(はり)、壁です。これらを頑丈に作り、建物の構造部分を守ることを目的とした工法です。特にマンションの設計では、壁をバランスよく配置することが重視されています。

《耐震構造のメリット・デメリット》
耐震構造のメリットは、制震構造・免震構造に比べコストが安価なことです。前述の通り、新耐震基準に沿って建築された建物には、基本的には耐震構造が用いられます。そのため、マンション建築の際に地震対策の追加費用が発生することはありません。
 
ただし、耐震構造は地震の揺れが建物に直接伝わるというデメリットがあります。そのため大きな地震に見舞われた場合は、揺れによって壁や柱などの主要構造部が損傷する可能性がある他、居室内の家具の転倒が起きやすいとされています。
 
 
制震構造とは
 
新耐震基準が導入された1980年代以降、次世代の耐震技術として新たな構造が模索され始めました。その1つが制震構造です。
 
《制震構造の特徴》
制震構造は、マンションの各階や頂部など建物の要所にダンパーを設置し、地震による揺れを抑える構造です。ダンパーの種類や形状は様々で、建物の形状や構造種別によってダンパーを設置する位置や数量が異なります。
 
《制震構造のメリット・デメリット》
地震の揺れを吸収する制震構造は、前述の耐震構造をより進歩させた技術と言えます。しかも後述する免震構造と比較すると費用も安価な傾向があり、メンテナンスも基本的には不要です。
 
制震構造のデメリットは、この構造に適している建物が限られている点です。荷重の軽い柔構造(鉄骨造など)の建物の他、形状は塔状建物(タワーマンションなど)が適しているとされています。逆に鉄筋コンクリート造のような重量がある建物は、免震構造の方が効果的だと言われています。
また、制震構造で建築された建物は、2階より上階部分については揺れが大幅に軽減されますが、1階部分については耐震構造と同様に揺れが建物に直接伝わるため、家具などの転倒が起こり得ます。
 
 
免震構造とは
 
免震構造には、基礎部分に設置した免震部材で地震エネルギーを抑え、地震による揺れを建物に伝えにくくする技術が用いられています。これにより、建物自体が受けるダメージも少なくなります。
 
《免震構造の特徴》
免震構造は、積層ゴムによる免震装置を建物の基礎部分に設置します。つまり、居住部分には耐震部材等を一切設置しません。
基礎部分に免震機能を備えることによって耐震性を高めている点は、免震構造の最大の特徴と言えるでしょう。
 
《免震構造のメリット・デメリット》
免震構造は地震による揺れが建物に伝わりにくい構造になっているため、建物が損傷を受ける可能性が低くなります。居室内の揺れも少ないため、家具の転倒も起こりにくいというメリットがあります。
 
耐震性能が高い免震構造ですが、導入コストは3つの構造の中で最も高くなる傾向があります。またメンテナンスが適宜必要です。さらに、塔状建物や軟弱な地盤には不向きな点もデメリットとなります。
 
 
おわりに
 
新しいマンションでは、新しい耐震技術として制震と免震をミックスした新しい工法を導入している場合もあるなど、耐震技術は日々進化しています。
今回は耐震・制震・免震、3つの構造について特徴などをご紹介しましたが、どの構造にもメリットとデメリットがあります。物件選びをする際は、耐震性能についても注目してみてはいかがでしょうか。

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