投資用マンションの売り時と買い時は共に「2020年まで」

目次
不動産投資情報サイトの健美家は、このほど賃貸マンションを始めとする投資用不動産の売り時と買い時は共に2020年までなどとする「不動産投資に関する意識調査」を発表、不動産投資家の間で話題になっています。
投資用不動産は売りも買いも2020年がピーク
同調査では、まず現在の投資用不動産市場に対する投資家の意識を調べています。
それによると、現在が「売り時だと思う」と答えた投資家が49%で、「買い時だと思う」と答えた投資家(18%)を3倍近く上回りました。2014年5月の前回調査と比較すると、「売り時だと思う」と答えた投資家が10ポイントも増加しており、「売りのムード」が投資家の間で高まっている様子が窺えます。
そこで、それぞれの理由を尋ねてみると、売り時だと思う投資家は「マンションなどの購入希望者が多く価格が上昇している、海外投資家の買い意欲が高い、買い手側が融資を受けやすい」などの理由を挙げています。
対して、買い時だと思う投資家は「金利が低い、融資を受けやすい、海外に比較して割安、東京五輪開催を控えて価格が上昇しそう」などを理由に挙げています。
次に売り時と買い時を中期的スパンで尋ねてみると、売り時は「東京五輪開催の2020年まで」が25%で1位、「2017年まで」が18%で2位、「今年(2015年)いっぱい」が15%で3位などとなっており、「2021年以降」はわずか4%でした。買い時は「2020年まで」が35%で1位、「2017年まで」が20%で2位、「今年いっぱい」が13%で3位などとなっており、こちらも「2021年以降」はわずか7%でした。
このことから、投資家の大半は売りも買いも「東京五輪開催の2020年が市場のピーク」と分析、売買のタイミングを図っている様子が窺えます。
有望な投資エリアは「品川・泉岳寺エリア」
では、投資家たちはどのエリアが投資に適していると見ているのでしょうか。
同調査の複数回答では「品川・泉岳寺エリア」が200人と最多を占め、2位の「有明・豊洲エリア」の99人に倍以上の差をつけています。
また「北千住・綾瀬エリア」(79人)と「名古屋市」(78人)の3位グループが4位グループの「川崎臨海部」(56人)、「圏央道周辺」(54人)に20人以上の差をつけています。
上記トップ3エリアはいずれも都市再開発が進んでおり、今後のマンション需要増加が見込まれているエリアです。したがって、投資家たちの多くがエリアの不動産開発情報などを積極的に収集・調査をした上で、適切な投資判断に努めているものと思われます。
投資物件の狙い目は都内の一棟アパートと区分マンション
同調査は実際の物件購入に関しても投資家に聞いています。
それによると「2014年1月以降に物件を購入した」投資家は54%で、「購入しなかった」投資家の25%を29ポイントも上回っています。
また、物件を購入しなかった投資家は「価格高騰で希望条件に合う物件を見つけられなかった」、「指し値を入れたところ、後から来た満額の買い手に物件をさらわれた」などを理由に挙げています。
この調査結果を見ると、投資家たちは売りのムードが高まっている中でも地道に有望物件の発掘に努めるなど、片時も「買いの動き」を止めていないと言えそうです。
では、投資家たちはどんな物件を探しているのでしょうか。
同調査では「物件購入を計画している」投資家に「購入したい物件(一人最大3件)」を尋ねています。
それによると「都内・一棟アパート」(77件)と「都内・区分マンション」(76件)が最多で1位グループ、「神奈川県・一棟アパート」(33件)が2位、「都内・一棟マンション」(31件)が3位、「埼玉県・一棟アパート」(28件)が4位、「都内・賃貸用戸建て住宅」(26件)が5位などとなっており、1位グループは2位以下と倍以上の差をつけています。一方、2位以下の差はわずかで、ドングリの背比べ状況になっています。
このことから、「都内の一棟アパートと区分マンションが投資対象としての人気が高い」と言えそうです。今後の中期的スパンに対する温度感を念頭に置きながら、しっかりと投資対象になる物件を見極めることが重要です。