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マンション売却にかかる税金の計算方法は?特例や控除で税金を減額!

公開日:2021/2/16

先読み!この記事の結論

  • マンション売却時にはどんな税金がかかるか紹介
  • 所得税や住民税がかかる場合とは?
  • マンション売却で利用できる控除や特例をご紹介

こんな悩みの人にピッタリ

  • マンションの売却を考えているけれども税金についての知識がない方
  • どのくらいの税金がかかるか気になっている

目次

マンションを売却すると、売却したお金が手元に入ってきますが、さまざまな税金や手数料も必要です。税金や手数料を考えていないと、後になってから手元に残るお金が予定していたよりも少なくなってしまう、ということにもなりかねません。

マンション売却時には売主さま側には売却したお金のすべてが手元に残るわけではありません。この記事では、マンション売却時に税金をどのくらい支払うことになるのか、詳しく解説します。



マンション売却でかかる税金


マンションを売却した時に課税される税金には次の5つがあります。


●所得税

短期譲渡所得:30%

長期譲渡所得:15%

売却によって得た利益に対して課税される所得税


●住民税

短期譲渡所得:9%

長期譲渡所得:5%

売却によって得た利益に対して課税される住民税


●復興所得税

所得税額の2.1%

短期譲渡所得に対して0.63%

長期譲渡所得に対して0.315%

東日本大震災の復興の財源に充てるために2037年までの期限付きで課税される


●登録免許税

抵当権抹消登記:1筆につき1,000円

ローンを一括返済した場合に金融機関の抵当権を外すために必要


●印紙税

契約書に記載される契約金額により税額が異なります。

税額:200円~60万円まで

売買契約書に購入した収入印紙を貼り付けて納付、消印が必要です。

それぞれの税金の種類ごとの詳細について詳しく見ていきましょう。



利益が生じた場合に発生する税金


マンションを売却した時に支払う税金には、以下の3つがあります。


●所得税

●住民税

●復興所得税


この3つの税金は、マンションを売却した時に購入にかかった費用総額を超える利益が発生した場合にのみ課税されます(控除額の範囲内で収まる場合は課税対象がなくなるので、課税されません)。それぞれどのような税金で、どのように計算すればいいのか、マンションを売却して利益が出た場合とはどのような場合なのかについて深掘りしてきましょう。


所得税

所得税とは、マンションを売却した利益に対して課税されるものです。通常、会社員として雇用されて働いていたり、自分で事業を営んでいたりすると、給料や事業所得に対して所得税が課税されます。

給料や事業所得に対して課税される所得税と同じように、マンション売却による利益に対しても所得税が課税されます。マンション売却による所得税は、マンションを他の人に譲渡した利益に対して課税されます。

マンション売却による所得税で気を付けなければいけない点があります。それは、譲渡所得に対する所得税は分離課税という点と、マンションを所有していた期間によって税率が大きく変わるという点です。

副業や投資、複数の事業を営んでいる場合に、赤字が出た事業を黒字の給与や他の事業から補填する損益通算ができますが、マンション売却による所得税は総合課税ではなく、他の所得とは別枠で計算しなければいけない分離課税です。

投資や事業で出た赤字を、マンション売却の利益で補って、所得税を軽減することはできない点に注意しましょう。

また、所得税の税率は、投資目的での短期間での売買を防止するために、マンションを所有していた期間によって変わります。5年以下の所有は短期譲渡所得となり売却したお金の30.63%が課税されます。5年を超える所有は長期譲渡所得となり売却益の15.315%の税率になります。また、2013年から2037年までは、上記のほか、復興所得税(所得税×2.1%)が課されます。


住民税

マンションを売却した利益に対しては住民税も課税されます。給与所得や事業所得に対して毎年住民税が課税されるのと同じように、マンション売却に対する利益に対しても住民税が課税されます。

マンションの売却益に対する住民税も、所得税と同じようにマンションを所有していた期間によって、短期譲渡所得と長期譲渡所得で税率が変わります。5年以下の所有の短期譲渡所得の住民税は9%の税率です。5年を超える所有の長期譲渡所得なら5%の税率です。


復興所得税

復興所得税とは、2011年の東日本大震災の復興の財源に充てるために、2013年から2037年までの25年間、所得税額に2.1%の税率を上乗せして課税されるものです。所得税であれば種類を問わず課税されるので、マンションを売却したことによる所得税に対しても課税されます。


売却益の計算方法

マンションを売却した利益に対する所得税、住民税、復興所得税は、売却して手元に入ってきた金額の全額に対して課税されるのではありません。マンションを売却して得られた利益、つまり譲渡所得に対して課税されるものです。

マンション売却の譲渡所得とは、マンションの売却金額から、マンション購入時の取得費と売却時の譲渡費用を差し引いた残りの金額です。計算式は次の通りです。

マンション売却の譲渡所得 = マンションの売却金額 - 取得費(購入時価格+購入時費用-減価償却費) - 譲渡費用

マンションの売却金額から差し引ける取得費と譲渡費用は次の通りです。


・取得費

・マンションの購入代金から減価償却費を差し引いた金額

・不動産会社の仲介手数料

・購入時の税金(印紙税、登録免許税、不動産取得税など)

・リフォーム費用

・入居までに支払った住宅ローンの利子


なお、これらの費用を証明するためには、確定申告時に契約書や領収書などの金額を証明できる書類が必要です。書類を用意できない場合には、売却金額の5%を取得費用とみなします。

実際には購入金額よりも下回る金額でしか売却できなかった場合でも、取得費が証明できなければ売却金額の95%から譲渡費用を差し引いた金額に対して課税されてしまいます。本来支払う税額よりも納税額がとても大きくなってしまうこともあるので、取得時の書類もできる限り用意したほうがいいでしょう。


・譲渡費用

・不動産の仲介手数料

・印紙税

・賃貸に出していたマンションから立ち退いてもらう借家人に支払った立退料

・さらに有利な条件で売却するために契約を白紙にした場合の違約金

・借地上のマンションを売却するために地主に支払う名義書き換え料


譲渡費用の証明も、取得費と同じように領収書や契約書などの正式な書類で行います。書類はなくさないように注意しましょう。



売却手続き上で発生する税金


マンションを売却するためにはいくつかの手続きを踏む必要があります。その手続きを踏むうえで課税される税金が、印紙税と登録免許税です。

こちらは譲渡所得に対して課税される所得税などと違い、マンション売却によって利益が出たかどうかに関係なく必ず課税されます。赤字で売却する場合でも必要な税金となるので注意しましょう。


税金の種類

●印紙税

印紙税とは、株券などの金融商品の証券や売買契約書等に、収入印紙を購入して貼り付け、消印することで納税するものです。税額は証券や契約書の種類によって定められています。マンションなどの不動産売買の印紙税は次の通りです。2022年3月31日まで軽減税率が適用されています。


・契約書に記載する金額が10万円超~50万円以下:400円(軽減税率200円)

契約書に記載する金額が50万円超~100万円以下:1,000円(軽減税率500円)

契約書に記載する金額100万円超~5,00万円以下:2,000円(軽減税率1,000円)

契約書に記載する金額が500万円超~1,000万円以下:1万円(軽減税率5,000円)

契約書に記載する金額が1,000万円超~5,000万円以下:2万円(軽減税率1万円)

契約書に記載する金額が5,000万円超~1億円以下:6万円(軽減税率3万円)

契約書に記載する金額が1億円超~5億円以下:10万円(軽減税率6万円)

契約書に記載する金額が5億円超~10億円以下:20万円(軽減税率16万円)


●登録免許税

登録免許税とは、法務局で登記したり、登記内容の変更を行ったりする場合に必要な税金です。マンションなどの不動産の売買を行った場合には、名義変更を行うので所有者移転登記が必要です。しかし、所有者移転登記の登記費用は買主さま側が負担するものなので、売主さま側は支払いません。

売主さま側が支払う登記費用は抵当権抹消登記費用です。マンションを売却したお金でローンの一括返済をする場合には、金融機関が設定した抵当権が外れていないと所有者移転登記ができません。マンション売却と同時に、抵当権抹消登記を行います。

抵当権抹消登記に必要な登録免許税は不動産1筆につき1,000円です。土地と建物はそれぞれ別に登記が必要です。土地が複数の筆に分かれている場合には、筆数ごとに1,000円必要です。



実際の税額シミュレーション


それでは、実際にマンションを売却した場合にどのくらいの税金の支払いが必要になるのかシミュレーションしてみましょう。

まずはマンションの取得費を計算する上で欠かせないのが減価償却費の計算です。減価償却とは、経年劣化によって劣化していく建物の価値を、新築時から毎年一定の償却率で、法定耐用年数に達するまで差し引いていくものです。

マンションでは土地の持ち分は経年劣化しないので減価償却はしません。建物部分の評価額を減価償却して差し引いた分を減価償却費として購入金額から差し引いて取得費とします。

減価償却費と取得費の計算方法

建物の法定耐用年数と償却率は建物の構造によって次のように定められています。


●金属造(骨格材の厚みが3mm超~4mm以下)

耐用年数:40年

償却率(非事業用):0.025


●金属造(骨格の厚みが4mm超)

耐用年数:51年

償却率(非事業用):0.20


●RC(鉄筋コンクリート)造

耐用年数:70年

償却率(非事業用):0.015

減価償却費の計算式は次の通りです。

減価償却費 = 建物部分の購入金額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数


例えば、建物部分が3,000万円で購入したRC造新築マンションを10年後に売却する場合には、減価償却費は次のように計算します。

30,000,000円 × 0.9 × 0.015 × 10 = 4,050,000円

このマンションの建物部分の取得費は次のようになります。

30,000,000円 - 4,050,000円 = 25,950,000円

それでは実際にマンションを売却した時にどのくらいの税金がかかるのかシミュレーションしてみましょう。新築で購入した自宅マンションを次のような条件で売却した場合にはどうなるのでしょうか。


●マンションの種類:居住用

●築年数:8年

●構造:RC造(鉄筋コンクリート)

●購入価格:50,000,000円(土地30,000,000円、建物20,000,000円)

●売却価格:70,000,000円

●取得時の諸費用:2,500,000円

●譲渡費用:1,500,000円


まずは減価償却費を計算してから取得費を算出します。

建物の減価償却費を求める計算式は以下になります。

20,000,000円 × 0.9 × 0.015 × 8年 = 2,160,000円


続いて、建物の取得費は以下の計算式で求められます。

20,000,000円 - 2,160,000円 = 17,840,000円


土地と建物の取得費の合計金額は以下の通りです。

30,000,000円 + 17,840,000円 = 47,840,000円


次に譲渡所得を計算します。

70,000,000円 - 47,840,000円 - 2,500,000円 - 1,500,000円 = 18,160,000円


よって、譲渡所得は18,160,000円です。所有期間は8年間なので長期譲渡所得です。


所得税は次の通りです。

18,160,000円 × 15% = 2,724,000円


住民税は次の通りです。

18,160,000円 × 5% = 908,000円


復興所得税は次の通りです。

2,724,000円 × 2.1% = 57,204円


印紙税は売買契約書に記載される金額が70,000,000円なので50,000,000円超~100,000,000円以下の税額が適用されて30,000円になります。


ローンの一括返済をする際の抵当権抹消登記の登録免許税は土地1筆と建物部分にそれぞれ必要です。

1,000円 × 2 = 2,000円



マンション売却で利用できる特例や控除


マンションを売却した時、前節のように多くの金額を税金で納めなくてはいけなくなります。しかし、不動産売却に対してはさまざまな特例や控除が用意されているので、利用しましょう。


軽減税率の特例

5年を超えて所有していたマンションについては長期譲渡所得となりますが、マイホームを10年以上所有していた場合にはさらに軽減税率の適用を受けられます。マイホームを10年以上所有していた場合の軽減税率は次の通りです。


●6,000万円以下の部分:10%

●6,000万円を超える部分:15%


居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

売却したマンションがマイホームであった場合には、マイホームを売った時の特例で3,000万円の控除を受けられます。これは、所有期間の長短にかかわらず、譲渡所得が3,000万円までは控除されます。


特定の居住用財産の買換え特例

この特例は、マイホームを買い替えたときに、売却したマイホームの譲渡所得への課税を次回の売却時まで繰り延べることができるというものです。例えば、売却した自宅マンションの譲渡所得が1,000万円あったとしても、その年には課税されません。

買い替えた自宅を売却するときに発生した譲渡所得と合算で計算されます。この特例は、譲渡所得に対する課税が免除されるのではなく、将来に繰り延べられる特例です。


住宅ローン控除とは併用不可

自宅マンションを売却した新しい家を購入するときに、住宅ローンを組む方もいることでしょう。住宅ローンを利用するのなら、所得税から一定の要件で控除される住宅ローン控除を利用する方もいることでしょう。

住宅ローン控除は、上記でお伝えした控除や特例との併用はできません。住宅ローン控除か、売却時に利用できる控除や特例か、どちらかのみの適用となります。売却前に、どの控除や特例を利用するのが一番いいのか、しっかりとシミュレーションしておきましょう。



マンション売却で損した場合は税金がかからない?


マンションを売却した時に売却益が出たら、かなり高額の所得税や住民税がかかります。しかし、譲渡所得が出ずに売却損が出た場合にはどうなるのでしょうか。

譲渡所得が出ない場合には、売却損となります。売却損が出た場合に確定申告をすると、給与所得や事業所得と損益通算されて所得税が軽減されます。利益が出た場合には損益通算はできませんが、赤字の場合には一定の要件を満たせばできるので、所得税を支払っている方は売却損が出てもぜひ確定申告をしましょう。



相続したマンションを売却した場合の税金


相続から3年以内の売却なら、相続税のうちマンションを相続した分を取得費として加算できるので、譲渡所得を減らせます。相続したマンションを売却する場合には、3年以内に売却することで税金の減額が可能となります。



賃貸マンションを売却した場合の税金


賃貸マンションを売却する場合でも、基本的にかかる税金は同じです。所有期間によって税率が変わる点も変わりません。ただし、減価償却率は事業用が適用される点に気を付けましょう。



税金の納付期限と納付方法について


マンションを売却した時に発生する税金の納付方法と納付期限は次の通りです。


●所得税・復興所得税

売却した次の年の2月16日から3月15日に、確定申告をした上で納税手続きを行う。


●住民税

売却した次の年の6月以降に、郵送される納付書で支払う。


●印紙税

売買契約書に購入した収入印紙を貼り付け、消印が必要です。


●登録免許税

法務局で登記をするときに現金などで支払う。



税金以外にかかる費用


マンションを売却するときには、税金以外にもさまざまな費用が必要になります。税金以外に必要になる費用にはどのようなものがあるのかも見ておきましょう。


費用

●仲介手数料

売却の仲介を依頼した不動産会社に支払う成功報酬の手数料。「売却金額の3% + 60,000円 + 消費税」が上限金額。


●ローンを一括返済するための手数料

ローンの一括返済をするときにかかる事務手数料が10,000円~30,000円程度。


●登記費用

司法書士への報酬が10,000円~20,000円程度。住宅ローンを一括返済する場合のみ必要


●その他費用

引越し費用、ハウスクリーニング費用など場合に応じて必要。



まとめ


マンションの売却益に対して税金がかかることを念頭に入れておかないと、手元に残る金額が想定していた額よりも少なくなってしまい、新居の購入や今後の生活プランに大きな影響を及ぼす可能性があります。

売却して大きく利益が出る場合には、所得税や住民税がかなりかかってしまいます。確定申告をしないと、受けられる控除が受けられなくなったり、延滞税が課されることもあります。マンションを売却するときには、税金についても正しい知識を持って、正しくシミュレーションをしておくことが大切です。

編集監修者情報
編集監修者
株式会社大京穴吹不動産
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東京都渋谷区千駄ヶ谷4-19-18 オリックス千駄ヶ谷ビル
設立年月
1988年12月
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