マンション査定の注意点!査定方法の種類・流れについて
先読み!この記事の結論
- マンション査定には机上査定と訪問査定がある
- 売却に活用できるのは細かく算出する訪問査定
- 信頼して任せられる不動産会社を選ぶのもポイント
こんな悩みの人にピッタリ
- 所有しているマンションの資産価値を調べるにはどうしたら良いか分からない方
- 売却に向けた査定について全体的な流れを知りたい方
- 不動産会社選びのポイントを知りたい方
目次
マンション査定の依頼先
所有しているマンションがいくらで売却できるのか、知りたい場合は以下の方法で算出することができます。
一括査定サイトの利用
複数の不動産会社に一括で査定依頼をすることができるので、手間や時間を削減することができる方法です。
査定方法は、入力した物件情報だけを元に査定する机上査定と、実際に現地を確認し、具体的な査定をする訪問査定があります。
不動産鑑定士に依頼する
不動産鑑定士とは、不動産の経済価値を判定するために不動産評価額を算出する専門資格を有した人を指します。
マンション1室の評価を依頼する際には30万円程度の費用が必要になります。
シミュレーターを利用する
不動産ポータルサイトなどでは、最寄り駅や駅までのアクセス、築年数や専有面積などを入力すると査定金額を算出するシミュレーターがあります。
マンションについて入力した情報のみで査定するので、簡易的にマンションの価値を知りたい場合に活用することができます。
より正確な査定金額を知りたい場合は、実際に物件を細かく確認し査定してもらうと良いでしょう。
マンション査定の方法
マンションの査定方法には、先に記載の通り、簡易的な机上査定と、実際の物件を確認して査定する訪問査定があります。それぞれの特徴を理解しておきましょう。
机上査定
簡易査定とも呼ばれる方法で、所在地や面積、築年数などの大まかな情報を伝えることでマンションの査定金額を算出することが可能です。
類似物件の過去の売買価格や査定時の市場状況なども加味して査定金額を算出します。実際に物件を見ることがないので、早ければ当日中に査定金額を知ることができる場合もあります。
訪問査定
机上査定した情報に、さらに物件の現状の情報を加えて査定する方法になります。そのため、実際に物件を細かく確認し、査定します。
敷地の形状や接道幅員、近隣環境、ライフラインの状態、室内のコンディションなどを実際に部屋を見て確認します。
机上査定では分からなかったプラス要因やマイナス要因が影響するので、より正確な査定金額を算出することが可能です。
マンション売却の際には、より市場価格に近い訪問査定を行った価格を参考にするようにしましょう。
机上査定のメリット・デメリット
机上査定のメリットは、実際に物件を確認しないので、査定金額を算出するのに時間がかからない点です。
大まかな市場価格を知るには十分で、参考値を知りたいという方にはおすすめの方法です。
また、所有しているマンションが遠方にある場合などにも利用可能な方法です。実際に物件まで行かなくても査定金額を算出できるので現地立ち会いが難しい方には便利な方法です。
デメリットは、物件の現状が加味されないので、参考値であるという点です。
訪問査定のメリット・デメリット
訪問査定のメリットは、実際に物件の現状を査定金額に加味されるので、机上査定よりもより正確な査定金額を算出してもらえる点です。
現地立ち会いの際に、不動産会社の対応を実際に見ることも可能なので、不動産会社選びでも役立つ情報を入手できるでしょう。
デメリットは、不動産会社の担当者に来てもらうため、時間が取られ、査定結果が出るまでの時間が机上査定に比べ必要であるという点です。
マンションの査定金額の算出方法
定金額の算出方法には、取引事例比較法、収益還元法、原価法の3種類があります。それぞれの特徴についてみてみましょう。
取引事例比較法
マンション査定で用いられる一般的な査定方法になります。近隣物件の過去の売買取引と査定する物件を比較して査定金額を算出します。
事例地の単価(円/㎡)?建物面積(㎡)?補正率という計算式で算出できます。
補正率とは、2つの物件の個別要素を比較して出される掛け率のことで、時点修正、地域要因、個別的要因の3つが考慮されます。
時点修正とは、取引時点によって変動する相場を考慮した補正、地域要因とは比較する2つの物件のエリアが異なる場合に考慮する補正です。
個別的要因とは物件ごとの違いを考慮した補正です。一般的には日当たりやリフォームの有無などが挙げられます。
収益還元法
居住用マンションではなく、賃貸マンションなどの査定金額を算出する際に用いられる方法です。
賃料などから将来的に生み出すと予想される純利益から不動産価値を算出していきます。
1年間の純利益÷還元利回りという計算式で算出します。
原価法
一戸建てを査定する際に用いられるのが原価法で、マンション査定の際には用いられることはありません。
査定する物件と同じ物件を新たに取得した際の、新しい建物を建築した際のコストから物件価格を算出する方法です。
マンション査定の流れ
マンション査定の全体的な流れについて把握しておきましょう。どのようなステップで進めていくのかを理解しておくことで、慌てずに準備することができるでしょう。
不動産会社に査定依頼をする
査定依頼をする不動産会社は1社だけでなく、複数の会社に依頼するようにしましょう。一括査定サイトや不動産会社のウェブサイトなどを活用すると便利です。
査定依頼をする際には、都道府県や市区町村が分かる物件所在地、広さや間取り、築年数など物件詳細、査定依頼をする方の個人情報が必要となります。
査定金額の精度を高めるためにも物件詳細に関して分からない部分は明確にしてきちんと伝えておけるように調べておくと良いでしょう。
査定の訪問日時を決める
売却時の参考にできる査定金額を算出してもらうには、訪問査定が必要となる場合が多いです。
訪問査定では立ち会いが必要になるので、不動産会社と訪問日時について決めていきましょう。
訪問査定には1~2時間要すると思って、時間にゆとりを持って計画しておくと安心です。
現地調査をしてもらう
不動産会社と日時を調整したら、実際に物件を確認してもらいます。現地調査時には、不動産会社から質問をされることがありますが、その回答によっては査定金額が変わることもあるようで、しっかりと質問に答えられるように準備しておくと良いでしょう。
査定結果を報告してもらう
一般的には、現地調査から3~4日後には査定結果が分かります。提示された査定金額になった理由についてきちんと説明を受け、納得することが大切です。
説明の仕方も不動産会社選定の際に役立つので、しっかりとチェックしましょう。提示された査定金額や根拠、担当者の対応などを確認すると良いでしょう。
マンションの査定の際に見られるポイント
不動産会社が現地調査をする際、どのようなポイントをチェックするのでしょうか。査定のポイントを理解しておくことで、査定金額をアップさせることもできるかもしれません。
立地条件などの周辺環境
駅から徒歩圏内であることなどの物件は高額査定をしてもらいやすいです。特に駅から10分以内の物件であれば需要が他に比べて高く見込まれる場合があるかもしれません。
さらに、マンション周辺にスーパーや病院などがあると、生活利便性が高いと評価されやすい場合が多いです。
併せて騒音や景観などもチェックされます。高速道路や新幹線などが通る場所は、振動や騒音が懸念されるため評価が落ちる場合があるかもしれません。
一方、公園や、並木道などの緑が多い立地なら、評価が上がることが期待できるかもしれません。
マンションの築年数
築年数は、マンションの立地状況などと同じくらい査定金額に大きな影響を与えるチェックポイントです。
築年数が経っているほど、査定金額が低くなる傾向があるかもしれません。きれいに使用し、室内に目立った傷などがなくても、築年数の経過とともに査定金額が下がっていく場合が多いと認識しておきましょう。
住戸位置
マンションの建物の中で売却予定の部屋がどの位置にあるかも査定金額に影響する場合が多いです。例えば、角部屋とそれ以外の部屋の場合では、角部屋の方が査定金額が高くなる傾向があります。
隣接する部屋が片側でプライバシーが保ちやすいことや、窓が多くなり自然光を取り入れやすくなることが理由として考えられます。
また、低階層よりも高階層のほうが、窓からの眺望が良いことから、査定金額が高くなる傾向があることも覚えておくと良いでしょう。
内装の状況
室内の状況もチェックされます。汚れや壊れなどがあると低く査定されてしまいがちです。
一方で、リフォームがされていて、きれいな印象がある場合は、プラス要素となることもあります。
水回りの設備については、時間の経過とともに劣化しやすい部分なので、普段からメンテナンスを行う、リフォームを行うなどをすれば査定金額のプラスに働く場合も多いでしょう。
共用部分の設備
共用部分は、廊下などの掃除が行き届いているかといった点もチェックされます。週に3~5日勤務する管理員がいて、管理が行き届いている印象があれば、高い評価を得る傾向があります。
他にも、エントランスや階段、駐車場や駐輪場をチェックされます。清潔感や高級感があるか、耐震性などを評価します。
査定金額のプラスに働くものとして、宅配ボックスがあることや歓談スペースの有無などが挙げられるでしょう。
構造
マンションの構造が鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造と異なるだけでも査定金額は異なります。
高い査定額が算出されやすいのは、耐震性や遮音性に優れている鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造と言われています。
分譲会社・施工会社
どの会社が分譲・施工した建物かによっても査定金額は変動します。全国に名を連ねるような実績が多い大手不動産会社であれば信頼できるイメージが強いことから査定金額にプラスされやすいです。
過去にトラブルを起こした施工会社などが建てた場合は、マイナスイメージがあり査定金額もマイナスされる場合があります。
マンション査定の注意点
マンションの査定金額を算出する際は、マンション自体の状態はもちろん、周辺環境の変化も影響を与えます。具体的な外的要因について探ってみましょう。
周辺物件の価格
査定金額を算出するために、売り出されている周辺の物件もチェックされます。特に、条件が似ている物件の場合は競合と見なされ、査定金額を左右するものとして認識しておきましょう。
マンション周辺の開発予定
駅や新しい路線の開発、大型施設の建設など、今後人口が集中しそうなエリアに建っているマンションは査定金額が上がる可能性があります。
ビルなどが建てられることによって日当たりなどが悪くなる場合は、査定金額がマイナスに影響を及ぼす場合があります。
売却時の景気動向
不動産の売買は、市場の景気の動向が大きく影響します。日本の株価が下がっているなど、日本経済が低迷しているときは、高額な不動産の売買は控える人が増えます。
景気動向を見据えて、売却活動が長期化しないよう意識することも大切です。
マンション査定に必要な書類
マンションの査定を依頼する際には、間取りなどが記載されているパンフレット、身分証明証、登記簿謄本、登記済権利証または登記識別情報通知です。
全ての書類が揃っていなくても査定依頼をすることは可能ですが、その場合は、不動産会社の案内に従って、書類を用意し提出するようにしましょう。
マンション売却を成功させるコツ
マンションの売却を成功させるには、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。成功に導くコツについて解説します。
マンション売却が得意な不動産会社を選ぶ
マンションの売却では、共用施設の調査や利用規約をきちんと伝える専門的なスキルが必要とされます。
マンション売却を不得手とする不動産会社を選んでしまうと、売却までに時間がかかってしまう可能性があります。
スキルはもちろん、ノウハウをしっかりと持っている過去に実績があるようなマンション売却を得意とする不動産会社に依頼するようにしましょう。
売り出し価格を適正価格で設定する
周辺の売り出し中の物件情報から、相場を知り適正価格で売り出し価格を設定することが大切です。
購入検討者さまは似たような条件の部屋同士を比較して検討することが考えられるので、候補として検討してもらうためにも、相場からかけ離れた売り出し価格設定をすることは控えた方が良いでしょう。
内覧に注力する
購入検討者さまが実際に室内を見学することを内覧と言います。購入検討者さまは、自分たちの生活スタイルなどを頭に描きながら、購入後の生活をイメージし、物件を確認します。
居住しながら売却活動を行う場合は、可能であれば、大きめの家具などを撤去し、室内をすっきりと見せるよう片付けることが大切です。
また、玄関やリビング、水回りを重点的に掃除をして迎えることもおすすめです。掃除が行き届かないと思う場合は、プロのハウスクリーニングを依頼するのも良いでしょう。
まとめ
所有しているマンションのその時の売却想定価格を知りたいというだけであれば、最低限の情報で算出してもらうことができる机上査定で十分です。
ただし、より正確な査定金額を知りたい場合は、現地で細かな調査も行う訪問査定をしてもらいましょう。
その際には必要書類がいくつかあるので、事前にきちんと準備しておくと安心です。マンション売却の実績がある不動産会社を選び、納得のいく売却活動を行えるよう準備をしましょう。